そんな暇はない

気が向いた時に書きます。

【映画】永遠に僕のもの(ネタバレあり)

永遠に僕のものを観ました。 といっても観たのは結構前なんですが、かなり心に残って引きずってるので備忘録的に残しておきます。

あらすじ

ブロンドの巻毛に透き通る瞳、艶やかに濡れた瞳、磁器のように滑らかな白い肌、神様が愛を込めて創ったとしか思えない美しすぎる17歳の少年、カルリートス。彼は欲しい物は何でも手に入れ、目障りな者は誰でも殺す。息をするように、ダンスを踊るように、ナチュラルに優雅に。やがて新しい学校で会った、荒々しい魅力を放つラモンと意気投合したカルリートスは、二人で様々な犯罪に手を染めていく。だが、カルリートスは、どんなに悪事を重ねても満たされない想いに気付き始める―。 Amazon Prime

ざっくり感想(以下ネタバレ)

なんというか…… 主人公・カルリートスは絶対に正義ではないし、ラモンも正義ではないのに、正義とされるものは負けたな~って思ってしまった。 とても抽象的な感想ですね。 正義とはなにかって話ですが、今回は法律として考えようかなと思います。 カルリートスは未成年飲酒喫煙、盗み、殺し、クスリなんでもあり。 観ながら書いたメモに「やってることは悪党そのものなのに、青春感があって気味が悪い」と書いてありました。 この人達、盗みや殺しというような重たい犯罪に対する抵抗感はないのに、不倫は良くないという謎の道徳を持ち合わせているんですよね。 洋画を観るときにいつも宗教観の違いを感じるのですが、この部分は特に強く感じました。

この映画、あまりにもすぐ人が死にます。 コンマ一秒後には死んでます。 あまりにもすぐ人が死ぬので、死ぬと自覚できることは幸福なんじゃないかとさえ思えてきます。

表現の部分

全体的に青と緑のライトが美しかったです。 上記の通り、びっくりするくらいすぐ人を殺すので血の赤と青緑のライトの対比がとても美しい。 終盤の画面についた水滴の表現とか、飛び起きるシーンのカメラワークとか、あんまり見ないような表現が多くてその部分も楽しかった。 なんとなく、カメラを止めるな!のカメラワークを彷彿とさせる感じでした。

所感

カルリートスとラモンの関係について。 わかりやすく表現されているのはカルリートスからラモンへの執着だったと思います。 ではラモンからカルリートスへは? 明確な描写はないし、ラモンはその辺を語らずに死んでしまうので推測の域を出ることはありませんが、私はかなり執着していたのではないかと思います。 犯罪を犯しているのにスターになろうとテレビに出演する胆力。 愛情や友愛ではない気がするけど、何かしら複雑な執着はあった気がします。

この物語はカルリートスの舞台でしかなかったな、ってなんとなく感じました。 踊るシーンが複数回出てくるのが印象的なのもあるんですが、ラモンがスターになろうとテレビに出るシーンでより一層。 観る人(警察や市民)がいて、演じる人(カルリートスたち)がいる。 一番最初に「正義とされるものは負けたな~って思ってしまった」と書いたのですが、史実ではカルリートスは逮捕されてまだ収監されているはずだし、 映画でも一度逮捕されて最後はボカされているけれど逃げ場はないのに、何故かカルリートスの勝ちだと思ってしまいました。 やりたいことやって、執着した人は自分が執着した形で死んだ彼に「負け」の要素はない。

彼らの間に肉体的、性的な描写は出てこないのにどこかに愛情ではない愛があった気がします。 愛憎というか、なんというか。 可愛さ余って憎さ100倍みたいな。

すごく面白かった、めちゃくちゃ好きな映画だった、というわけではなく、むしろモヤモヤが残る不完全燃焼な映画だったのですがしばらく引きずっています。 字幕で観た上にスペイン語は全くわからないので、展開が早くて追いつけない部分もありました。 ぼんやり感想を書いてはみましたが、なぜ自分が引きずってるのかはわからず。 R15なので人におすすめしやすいわけではなかったですが、是非観て欲しい。 賛否は分かれるだろうな~とは思います。

これからたまに映画の感想書いていきたいですね。 では。